CYDONIA
あとがきと裏話
まずは最後までお付き合いいただきありがとうございます。
わりと長めの話をきっちり完結させたのは、これが生まれてはじめてではなかろうか。
話はヒカセンとなったムサシの視点で過去を語るというスタイルにしました。
あくまでもムサシ視点なので、やつが知り得ない情報はでてきませんし、難しい言葉もわかりません。
一人称視点はさくさくと書きやすい一方、「知らないことは語れない」「見えないことは書いてはいけない」という制約があるので、辻褄合わせするのが大変でした。
子供のころの話が断片的で、大きくなるにつれて詳しくなっていくのは、直近の出来事のほうが記憶に新しいからです。
ジュヴナイル小説が好きなので、文体もそれっぽいのを意識しました。
FF14の世界が舞台ではありますが、ゲーム用語を出すことは極力避けました。
しかし、ムサシがミコッテゆえに、肝心のミコッテの説明だけがうまくできなかった。自分にとってあたりまえのことを一人称で説明させることの難しさというやつです。いま書いておくけど、ミコッテは猫耳と尻尾がある種族。以上。
では、基本骨子となった設定と、それにまつわる裏話など。
■主人公について
実は旧FF14もプレイしていたのですが、実はそのころ、ミコッテのオスは世界に存在しませんでした。
新生FF14のβに当選したとき、ミコッテのオスが作れると知り、同時期に猫ムサシを拾ったので、ならばということでムサシを擬人化してキャラメイクをした次第です。
「ムサシ」という名の由来は武蔵野であり戦艦です。
ただ、それをエオルゼアの世界に持ってくると、ミコッテの命名規則からは外れてしまう。
和風の名前は東方由来ということにして、では何故その名前をもらったかということを考えよう。よし、ヒューラン夫妻に拾われて養子になったというのでどうだ…? という順序で決めました。なお、ミコッテとしての名前は面倒くさいので考えてないというのが真実。
本サービスの途中まで牙が欲しくてムーンキーパーだったんですが、幻想薬を配布されたときにサンシーカーに転生。ハーレムを作るのはサンシーカーのほうと聞き、ここについてはどうしようか悩みましたが、別にムーンキーパーがハーレムを作ってしまっても構わんのだろう?
夜の森の中で母親らしきミコッテに手を引かれて必死に走るシーンというのは夢で見て(ちゃんと子どもの視点で、手をグイグイ引っ張られてしんどかった)、なるほど、なにか逃げる理由があって逃亡したんだなということにしました。逃げる理由が長の子殺しというのは後から考えた設定です。
自分は「不思議な力に選ばれし人」「超人的な能力」「実は王族関係」「偉い人の知り合い」みたいな主人公補正のある設定が苦手なので(ヒカセンのことかな?)、どうしても理不尽なイジメを受けていたり、やたらと不幸だったりする努力家の主人公になりやすいです。ジュヴナイル小説といえば主人公の成長物語なので、そのような苦難を乗り越えてきたほうが感情移入できるんじゃないかと思います。
■サブキャラについて
ママルカは当初、ただの同僚のララフェルAであり、こんなにでしゃばる予定はありませんでした。名前をつけてしまったばかりに、主役を食う勢いのキャラになってしまった…さらにママルカファンから活躍を期待されてしまったので、番外編ではついに主役となっています。
カメオ出演のシーグフリード氏は、Twitterフレの(@hauted_666)さんから設定まるごとお借りしました。(ご本人によるシグ設定)
キャラ設定を一読しただけだと物足りなかったので、先方のサーバにこちらがキャラを作り、突撃インタビューを敢行。「なりきりでお願いします!」という無茶振りにも快く応じてくださり、さらに悪党ジェルモンの名前も咄嗟に考えてもらいました。ありがてぇ。
生い立ち話はこれで一応終わりですが、まだヒカセンになっていない駆け出し冒険者のころの話はあれこれ考えていますので、機会があれば文章化するかもしれません。